揶白 (KF)

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揶白 (KF)

絵画

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    Works 46
  • わし達の話

    わし達の話

    いづくだに山岨のみちを行く
    わしは生きているのか
    死んでいるのか
    人の怠けか
    妖しきに血を抜かれ
    糸も容易く老に嘲笑われ
    騙されたのじゃ
    愛しい声がわっと聞こえ
    抱きしめてやりたいのだが
    このようにそれが叶わん
    もう一つ理由があるのかも知れん
    わしの 妻が、背が折れて居ること
    出かけたくない、と云う
    わしも哀しくなって居たのが
    苦しみがお前たちとお互い恥ずかしうてな
    口がつかえる
    わしの 妻が、背が折れて居ること
    霧のなかでぼちぼち暮らし
    お前たちと語り合い
    見はからって妻を殺し わしも死ぬ
    一生がわしの物語のなかにあって
    詩の中にあって
    夢の中にあって
    倹約を余儀なくされ覚え
    幸せなのだよ

     

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