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2021/04/13
わし達の話
いづくだに山岨のみちを行く
わしは生きているのか
死んでいるのか
人の怠けか
妖しきに血を抜かれ
糸も容易く老に嘲笑われ
騙されたのじゃ
愛しい声がわっと聞こえ
抱きしめてやりたいのだが
このようにそれが叶わん
もう一つ理由があるのかも知れん
わしの 妻が、背が折れて居ること
出かけたくない、と云う
わしも哀しくなって居たのが
苦しみがお前たちとお互い恥ずかしうてな
口がつかえる
わしの 妻が、背が折れて居ること
霧のなかでぼちぼち暮らし
お前たちと語り合い
見はからって妻を殺し わしも死ぬ
一生がわしの物語のなかにあって
詩の中にあって
夢の中にあって
倹約を余儀なくされ覚え
幸せなのだよ
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