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2008/11/01
視界の下半分に大空が広がり、
私は雲ひとつない青い空を歩いている。
視界の上半分を大地が覆い、
私の頭上、逆さまになって浮いている。
遠い山があり、近くには家もある。
近くといっても、とても高い。
いくら飛び跳ねても手は届かない。
あんなに高くて、しかも逆さま。
もう家には帰れそうにない。
山羊も川の水も落ちてはこない。
つまらない期待などしない方がいい。
立ち止まって、私はひざまずく。
そっと両手を足もとに伸ばしてみる。
いかにも空の手ざわりがする。