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2012/11/09
カワイイなら底浅く
カッコイイのは上っ面
無闇な元気は疲れるし
意味ない明るさ
白けちゃう
酸いも甘いも噛み分けた
大人の魅力
今いずこ
2012/11/08
ゆめゆめ夢よ
夢の夢
夢見る頃に
夢はなく
夢ある頃に
夢を見ず
夢なら覚めよ
覚めぬ夢
2012/11/08
恋は不思議な
催眠術
好きな相手に
そっと掛ける
互いに掛け合えたら
しめたもの
ずっと覚めぬ事
ただ願うのみ
2012/11/07
水たまりは
昨夜の雨の
心残り
流せぬ想い
映します
2012/11/06
美しきもの
なべて欲望を映す
醜きもの
なべて真実を映す
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2012/11/05
唇を塞がれて
とても敵わぬ力で
暗い闇の底に組み伏せられ
いやらしく抱きしめられ
苦しくて呻くしかなく
なにか禍々しいもの
理不尽なものが
喉の奥へ侵入しようと
体の中に潜り込もうと
その気配だけで
もう息も絶え絶えに
抵抗もできぬまま
やがて占領され
惨めで情けなく
いけないこと
許されないこと
悪いことをしたというのか
なにも思い出せない
考えようとすらしていない
けだるくて
生きていないみたいな
死んでさえいないみたいな
こんな狂おしいばかりの
わけのわからぬ場所で
唇もなにもかも
塞がれたまま
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2012/11/05
おいら船乗り、
海の男よ。
「女に溺れるくらいなら、海に溺れるぜ」
なんてね。
ああ、
いまさら港にゃ
戻れない。
2012/11/03
おらの村の 娘っこ
野を越え 山越え
帯をゆらして 駆けてゆく
髪をなびかせ 村娘
おべべの裾が はだけたか
猟師の罠には 気をつけな
毒蛇の牙は 抜いちまえ
村一番の 長者の蔵には 米俵
村一番の 娘の胸には 白い餅
食べたかろうて 頬張ってみ
毒味はいらんか いらんかな
夕陽傾き 山鳩帰る
遠くで寺の 鐘が鳴る
2012/11/02
読むものすべて
来し方の手紙
書くものすべて
行く末の手紙
さてさて
誰が読むやら
読まぬやら
2012/11/02
とある映画館で
話題の新作を観ていた。
水深が膝くらいしかない浅いプールで
裸の若い男女のグループが戯れている。
そこへ武装警官らしき軍団が現われ、
若者たちを裸のまま拘束してしまう。
そして、手袋をしたまま体を撫でまわす。
「ほれほれ、どうだ、どうだ。
そろそろ密告する気になったか」
若者たちは抵抗できず、苦悶の表情。
女の武装警官もいて
かたわらで笑って眺めている。
やがて水しぶきが青い空に舞い上がる。
(なんなんだ? この映画は)
呆れてしまう。
さすがに映像は鮮明で美しいが
あの名監督の作品とはとても思えない。
わけがわからないまま考えていたら
太腿を撫でられるような感触があった。
見下ろすと
女の武装警官が床にしゃがんで
こちらを見上げて笑っているのだった。
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