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2011/09/08
戦いは終わった
勝者はいない
戦いは終わった
敗者ばかり
戦いは終わった
それを悲しむ者はいない
戦いは終わった
それを喜ぶ者もいない
戦いは終わった
安堵の声さえ聞こえない
戦いは終わった
ただ吹く風ばかり
2011/09/07
それがなんであるか
説明するのは難しいのだけれど、
ともかく、
そのとても大切なものを
僕はあやまって壊してしまった。
そのため僕はまるで
死んでいるみたいな気分になり、
その粉々になってしまった
大切なもののかけらを集めたり
せっかく集めたそれらを
結局あきらめて投げ捨てたりして、
そんなふうに
なんにもならない時間を
波打ちぎわの波みたいに
まったく意味もなく無駄に過ごしてしまった。
こんなことではいけない。
壊れてしまった大切なものにかわる
なにかもっと大切なものを
僕は見つけなければいけない。
そんな気がするのだ。
そして、そのためどこか遠くへ
旅に出かけなければならない気もする。
でも、
そんなものがどこにあるのか、
また、そんなものが
本当にどこかにあるというのか、
そういう大切なことさえ
さっぱりわからないままなのではあるけれど。
2011/09/05
僕が彼女と一緒に帰宅すると、
家にはすでに彼女がいた。
家にいる彼女を見つめる。
どう考えても僕の彼女だ。
すぐ横にいる彼女を見つめる。
まぎれもなく僕の彼女だ。
「この女は誰?」
やはり彼女は問い詰める。
嘘をついてもしかたない。
「僕の彼女だよ」
「この女は誰?」
やはり彼女も問い詰める。
嘘をついてもしかたない。
「僕の彼女だよ」
彼女と彼女が見つめ合う。
とりあえず僕は家に入る。
死ぬほど喉が渇いていた。
冷蔵庫から瓶ビールを出す。
ビールをグラスに注ぐと、
彼女が駆け足でやってきた。
ビール入りグラスを奪うと、
窓から裏庭に投げ捨てた。
もったいないとは思うが、
文句を言える立場ではない。
「もう許せない!」
彼女は僕の腕を引っ張る。
「もう許せない!」
彼女も僕の腕を引っ張る。
痛い。信じられない力。
「やめろ! 僕の彼女なら」
僕は彼女と彼女に引っ張られ、
僕と僕とに裂けてしまった。
2011/09/03
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