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2016/07/10
無闇やたら
甘えず 頼らず
虚飾を退け
実質を磨き
志高く
妥協せず
一歩でも半歩でも
倦まず弛まず前進し
注ぐなら底穴塞ぎ
削るなら根元掘る
できることは
できるだけやり
やりたいことは
やりたいだけやり
できもしない
やりたくもないことはやらず
わからぬことは保留し
つまらぬことは相手せぬ
要するに
偉いとか 賢いとか
カッコイイとか
褒められ 囃され
自惚れたいがためでなく
そうすることが
本当に
面白いかどうかが
肝心だ
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2016/07/09
なんだかんだ
言うたかて
しょせん勝たねば
話にならん
結果がすべてで
ないにせよ
最後に残るは
ただ結果ばかりなり
問題は
どこに勝負を
求めるか
どこに勝機を
見い出すか
なんにせよ
座して待つでは
始まらぬ
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2016/07/08
こけし
ここけし
こここけし
こけしに似てるね
こけし母子
きでこ
でころこ
でくのぼう
こぼこ
こげす
きでほうこ
けしにんぎょう
とか申します
こけし
けし
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2016/07/07
腹が減った。
じっと手を見る。
爪が伸びてきたな。
そろそろ切るか。
ニッパ式の爪切りがある。
まずは小指。
パチン。
おっと、深爪してしまった。
いけない、いけない。
気をつけなきゃ。
次は薬指。
パチン。
痛っ。
あっ、また深爪だ。
ああ、血がにじんでる。
バカだな、おれって。
知ってるけどさ。
まあ、いいや。
次は中指。
今度こそ慎重に、パチン。
痛い!
わあ、肉まで切っちゃった。
なにやってんだ。
血が垂れてる。
ああ、ひどいな。
傷テープ、あったっけ。
セロハンテープはどうだ。
めんどう臭いな。
まあ、いいや。
どうせ、そのうち止まるだろ。
しかし、まいった。
注意してたんだけどな。
夜に爪切ると親の死に目に会えない、か。
なるほどね。
まったく、昔の人は偉い。
暗けりゃ、あぶないもんな。
もっとも、まだ昼なんだけどさ。
ふん、まあいいや。
さて、次は人差し指だ。
パチン。
痛たたたた!
うわあ、指先を切った。
第一関節から先がない。
血が止まらん。
ドクドク流れてる。
指の根元をつまんで止血だ。
痛い。痛い。
しかし、バカだな。
というか、不器用だな。
いやいや。
爪切りで指を切り落とすのは至難の業。
普通、途中で気づくよな。
やっぱ、バカか。
死ななきゃ治らんな、こりゃ。
やれやれ。
なんとか血は止まったようだ。
薬ぬって、包帯まいて、と。
こういうのは器用なんだよな、なぜか。
ううう、ズキズキする。
ひどい目にあったもんだ。
まったく情けない。
まったく・・・・
あっ、指先が落ちてる。
拾わなきゃ。
ああ、生々しい。
新鮮な骨付き肉だ。
これ、どうしようか。
もう、くっつかないよな。
せっかくだから、食べちゃおか。
もったいないもんな。
腹減ってるし。
とりあえず、冷蔵庫に入れて、と。
さてさて。
問題は、次の親指だ。
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2016/07/06
女の匂いが変わった。
それは鼻の悪い男にもわかるほどに。
「香水を変えたの」
微笑む女。「蝶の香水よ」
男は蝶の性フェロモンを連想する。
「花の蜜でも調合したのかい?」
「さあ、どうかしら」
女は翅をひろげる。「ねえ、ご存じ?」
困ったように男は首を横に振る。
「蝶のメスは匂わないそうよ。
蛾と違って、匂うのはオスばかりなんですって」
女が背を向けると
男が覆いかぶさってきた。
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2016/07/05
無季だの非定型だの
そも俳句でなくてよかろ
せっかく捨てたに
NHKの訪れぬこと数年
お笑いがなんぼのもんじゃい
タレント本借りる
カセットテープ捨て
CDやDVDいつまでか
Webで良き人やって面白いか
花粉症は症状か商戦か
チェスに飽きたら囲碁をする
挨拶に返事もせぬ隣人
長いと飽きる
短かきゃつまらん
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2016/07/04
寝室の壁から太ももが生えてきた。
と言うか、若い女性であろう片脚が突き出てきたのだ。
生モノである証拠のようにクネクネ動いている。
壁に穴があいていて、そこに愚かな女の子が脚を突っ込んだ
というわけではなさそうだ。
その壁の向こう側は廊下であり
誰かいるべき場所には誰もいないのだから。
そもそも、おれは孤独を愛する独身者である。
この家に同居者はいない。
最初こそ驚いたものの、おれは冷静に脚を観察した。
いわゆる生脚にハイヒール。
なかなかの脚線美である。
生えてきた理由は知らないが
このままここにあり続けるかどうかも不明。
恐る恐る人差し指で太ももに触れてみた。
すると、ピクリと動き、壁の向こうへ引っこもうとする。
おれはあわてて足首をつかんだ。
引き戻そうとすると、脚は暴れ、壁を上下左右に動きまわる。
やはり壁の固有の穴ではなかったわけだ。
しかし、いくら強く引っ張っても
どうやら太ももの付け根までが限界のようだ。
おれはズボンのベルトを片手で外すと
苦労して足首に巻き、さらにベッドの端に縛り付けた。
さて、どうしようか。
おれは油性ペンで太ももに文字を書いた。
「あなた 誰?」
それから、ベルトの長さを調節。
すると、太もも部分が壁の向こうへ隠れた。
しばらくすると、再び太もも部分が現れた。
返事の文字が書かれてあった。
「てめえこそ 誰だよ?」
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2016/07/03
大きな森の端っこに小さな木の扉があった。
犯罪者の指紋みたいな美しい木目。
呼び鈴はなかった。
おれはノックしてみた。
「どちら様でしょうか?」
かわいらしい声であった。
「狼ですが」
扉の向こうでなにか倒れたような音がした。
「狼ですって?」
「はい。狼です」
扉の向こうで悲鳴があがった。
「扉を開けてください。空腹なんです」
「お願い。入らないで。食べないで」
扉はなかなか丈夫にできていた。
爪も牙も鼻息も役に立たなかった。
夕暮れが訪れようとしていた。
しかたがない。
今夜は扉の前で眠ろう。
おれはこれでも礼儀正しい狼なのだ。
わざわざ扉なんか通ろうとさえしなければ
森の中に入るのはたやすいことだ。
森の扉の両端には別段
高い柵や塀があるわけではないのだから。
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2016/07/02
ともかく骨は納まったとして
さて、故人の霊魂はどこへ行ったのか。
「霊魂」と呼ぶのがためらわれるなら
故人を想起させるイメージまたは感慨など。
これ見よがしに想起させる形ばかりの
墓や仏壇の中に納まっている必要はない。
故人を偲ぶ人たちが持つ印象や記憶、
故人が残した作品や業績の周辺にありそうなものである。
いつまでも影響を及ぼし続ける作品なら
「霊魂が宿っている」と評しても差し支えあるまい。
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2016/07/01
実体を持たない
ただ意識だけの存在でいられたら
と思うのだ。
実体さえなければ
衣食住なんか関係ない。
生臭い四苦八苦も
さして切実ではなくなろう。
種々雑多 なんでもありの
広大無辺なる世界を明瞭に意識する
ただそれだけの
あるやなしやでいられたら
と思うのだ。
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