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  • 星の雫

    2012/07/09

    楽しい詩

    星の雫の 降る夜は
     狐の尻尾の 白い先


    葉っぱ載せるや
     クルリとまわり

    化けて見せましょ 村娘
     それとも年増の 艶姿


    眉ツバものの ためしとて
     天を仰ぎて 候わん
     

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    • Tome館長

      2013/06/09 18:18

      「こえ部」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2012/07/09 18:08

      「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてくださいました!

  • 古代の謎

    2012/07/07

    変な話

    大きな海の真ん中に
    小さな無人島があった。

    津波によって島が洗われた翌年、
    遠い国の船がここを訪れた。

    そして
    古代遺跡が発見された。


    「これは凄い!
     なんという高度な文明だろう」

    高名なる考古学者が感嘆した。

    ある特殊な分野においては
    現代より進歩していた形跡があるという。


    出土した石碑には
    古代文字が刻まれてあった。

    それは次のように読めた。

    「わが謎を解く者、全能なり。
     ゆえに、あえて謎を示すまでもない」
     

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  • 殺し文句

    2012/07/06

    愉快な話

    ものすごい殺し文句を発明した。
    こいつにまいらぬ女はいない。

    相手が女なら
    誰でもイチコロ。

    どんな純真な少女であろうと
    どんな貞節な人妻であろうと

    一発でメロメロ。


    いくら美しくても耐えられない。
    いくら賢くても抵抗できない。

    女子高生、女子大生、OL、教師、
    幼女、熟女、より取り見どり。

    近親者だろうが関係なし。


    どんな醜い男が使っても大丈夫。

    臭かろうが
    貧乏であろうが
    センスがなかろうが

    まったく問題なし。


    それは、この俺が保証する。


    もてなかった俺。
    自殺未遂までした俺。

    まさに男の最底辺に属するこの俺が

    まさに死ぬほど苦労して
    考えに考えに考えぬいた末の

    必殺の殺し文句!


    完全にして完璧。

    こいつから逃れられる女など
    この世にいない。


    男なら知りたいだろう。
    ぜひ使ってみたいだろう。

    そうだろう、そうだろう。


    ふふふ。

    ふふふふふふ。


    絶対に教えてやるもんか!
     

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  • 怖い話

    2012/07/05

    怖い話

    怖い話だ。
    おそろしく怖い話だ。

    聞かなければ良かった
    と後悔するくらい怖い話だ。

    しかし、死ぬほど怖い話ではない。
    死ねないほど怖い話だ。

    つまり死にたくても死ねないのだ。


    たとえば、痛み。
    虫歯の痛みを思い出していただきたい。

    痛い。
    とにかく痛い。

    時が立つほど痛くなる。
    もう気絶するくらい痛い。

    ところが、まだ気絶しない。
    ますます痛くなる。

    もう死ぬほど痛い。
    死んだほうが楽なくらい。

    ところが、まだ死なない。

    もっともっと痛くなる。

    信じられないくらい痛い。
    もう表現できないくらい痛い。

    ところが、まだまだ死ねない。
    さらにさらに痛くなる。

    どこまでもどこまでも痛くなる。
    なのに、いつまでもいつまでも死ねない。

    死にたくても死ねない。
    終わりなどない。

    つまり、無限に痛くなり続ける痛みなのだ。


    しかも、痛みだけではないぞ。

    かゆみ、苦さ、臭さ、吐き気、疲れ、息苦しさ、
    悲しみ、空しさ、いやらしさ、不安、恐怖、絶望・・・・・・

    ありとあらゆる不快な感覚や感情が
    どこまでも悪化してゆく。


    やはり終わりがない。
    死にたくても死ねない。

    ますます不快になるばかり。
    無限に不快になり続けるばかり。

    まったくどこにも
    わずかな救いすらないまま・・・・・・


    どうだ。
    不快だろう。

    しかし、ここまで聞いたら
    もう逃げられないぞ。

    覚悟するんだな。


    これから、おまえに
    死に至らぬ病、

    その不快極まりない不快が始まる。
     

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  • 最低の殺し屋

    2012/07/04

    ひどい話

    われながら最低の殺し屋だと思う。

    まともな殺し方ができないのだ。

    拳銃で撃ち殺す自信などない。
    刃物で殺すのは難しすぎる。

    毒薬なんか怖くて持ち歩けない。
    格闘なんか冗談じゃない。


    それでも殺し屋をやっている。


    直接やらずに間接的にやるのだ。

    まず、依頼されたターゲットを綿密に調査。
    次に分析。そして、計画。

    それから実行に移す。


    ターゲットが幸福だったら不幸にする。
    不幸なら、もっと不幸にする。

    たとえば、
    恋愛中なら破局へ導く。

    野心があれば挫折させる。
    夢があれば現実を教えてやる。

    地位も家庭も人格も崩壊させる。
    いわゆる、社会的な抹殺。

    わずかに残った希望さえ奪ってしまう。
    つまり、絶望させるのだ。


    やがて、ターゲットは自殺してしまう。


    手間は掛かるが、安全で確実だ。

    それに、なぜか依頼主が喜ぶ。
     

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  • 催眠術

    まず、力を抜いて。
    そう、身も心も楽にして。

    さあ、私の目を見なさい
    両目で両目を見るようにして。

    恥ずかしがらず、物を見るような目で。

    少しずつ近寄りますよ。
    私の目が大きく見えてきますよ。

    そのうち境界があいまいになり、
    ふたつの目がひとつになりますよ。

    あなたは眠くなるはずです。
    ほら、あなたはだんだん眠くなる。

    まぶたが重く、重くなる。

    ほら、もう目を開けていられない。
    目を閉じてもかまいませんよ。

    どうぞ目を閉じてください。
    あなたは我慢する必要ありません。

    おやおや。
    ゆっくり頭が前後に揺れていますね。

    いいリズムです。
    それは、あなたが望むリズムです。

    あなたは、あなたです。
    あなたの望むようにすればいい。

    落ちたければ、どうぞ落ちなさい。

    楽な世界へ、楽な世界へ。
    下へ下へ、深く深く、どこまでも。

    私の声が遠くから聞こえます。
    はるか遠くから聞こえます。

    意識が体から離れそうです。
    もう体に触れられても感じない。

    こんなことをされてもわからない。

    いや、わかるかもしれませんが
    いやな感じはしないはず。

    こんなことをされても平気。
    むしろ、なんだか気持ち良いくらい。

    ほら、こんなことさえ許してしまう。

    そう、自然に。
    それでいいのです。

    それが本来のあなたです。

    いいですか、ほらほら。
    もっともっと、こんなことだって・・・・・・





    はい、目を開けてください。

    いかがですか?

    なにも覚えていないのですね。

    大丈夫。
    心配いりませんよ。

    無事に治療は済みましたから。

    そうです、そうです。
    なんだか、すっきりしたでしょ?


    そうでしょう、そうでしょう。

    なんだか私まで
    すっきりしてしまいましたよ。
     

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  • 酒 よ

    2012/07/01

    愉快な話

    ひとり、酒を飲んでいた。


     人、酒を飲む。
     酒、酒を飲む。
     酒、人を飲む。


    で、酒に飲まれてしまった。

    なんということ!


    「おーい、酒よ」
    酒を呼んでみた。

    「なーんだ、人よ」
    酒が返事をした。


    いかん、いかん。
    こりゃ、かなり酔っとるぞ。
     

    Comment (2)

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    • Tome館長

      2014/10/25 11:31

      「こえ部」で朗読していただきました!

    • Tome館長

      2012/07/02 19:08

      「ゆっくり生きる」haruさんが動画にしてくださいました!

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