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2012/01/01
今は授業中。
君は僕の目の前に座っている。
その愛しき背中。
この席を確保するために僕がどれほど苦労したか
君は知っているだろうか。
(君のすぐ後ろの席に座りたい)
(君のすぐ後ろの席に座りたい)
(君のすぐ後ろの席に座りたい)
必死に繰り返せば、想いは届く。
君のすぐ後ろの席だった女の子のメガネが壊れてしまい、
最前列の席だった僕が席替えを提案したのだ。
まあ、そんなことはどうでもいい。
今はただ、僕の熱き想いを君に送るのみ。
君の美しい黒髪を見つめる僕。
(君のうなじが見たい)
すると、君は髪に手をやり、
その白いうなじをチラリと僕に見せてくれる。
それは偶然かもしれない。
(君の横顔が見たい)
君は消しゴムを床に落としてしまい、それを拾おうとして
麗しき横顔をチラリと僕に見せてくれる。
これも偶然かもしれない。
でも、偶然だってかまわない。
僕の狂おしき想いよ、君に届け。
(君が好きだ)
(僕、君が好きだ)
(僕、君が大好きだ!)
不意に君が振り向く。
(あんたなんかきらい)
(あたし、あんたなんかきらい)
(あたし、あんたなんか大っきらい!)
なるほど。
しっかり届くもんだ。