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  • 海を渡る君

    2015/12/25

    変な詩

    君はオートバイで海を渡る。

    船で渡っても、あんまり意味がないから。

     

    同じ理由で、君が乗る船は空を飛び 

    君が乗る飛行機は地中を潜る。

     

    しかしながら、それらにも深い意味はない。

     

    自転車で虹を渡ろうと、衛星軌道を進もうと 

    ほんのちょっと奇妙な印象を与えるだけ。

     

    そういう場所に宝は隠されていない。

     

    子どもたちは喜ぶかもしれないが 

    大人たちは紛らわしさに困惑するばかり。

     

    つまり、乗物とか移動手段なんか 

    なんだっていいのだ。

     

    スプーンに乗ってスープ皿の上を 

    渡りたければ渡るがいいさ。

     

    結局、どこにいてどうしていようと 

    君は君でしかないのだから。

     

     

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  • 仮面の部族

    2015/12/03

    変な詩

    仮面の部族は楽しいな

      歌う時
       踊る時
        戦う時も

      いつも仮面をかぶってる

        色とりどりの
         不思議な仮面

       伝統の模様 

     手作りの
      仮の顔に 
       仮の表情 

     凛々しい
      成人式の仮面 

     幸せそうな
      結婚式の仮面 

     涙にくれる
      葬式の仮面 

        ほらね

          仮面と仮面
         触れ合えば

       おかしな音も聞こえます 

     みんな
      素顔がわからない 

     みんな
      素顔を恐れてる

        なぜならば

      仮面が割れたら 
     死なねばならぬが 

       仮面の部族の掟なり

     

     

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  • 耳鳴り

    2015/11/18

    変な詩

    セミが鳴く 
    セミが鳴く 

    夏でもないのに 
    セミが鳴く 

    ミン ミン ミン ミン 
    ミミン ミン  

    朝から晩まで 
    ミン ミン ミン ミン 

    鳴く 鳴く 鳴く 鳴く 
    ミン ミン ミン ミン 

    鳴く 鳴く セミが 
    セミが鳴く  

    耳の奥に 
    頭の中に 

    ミン ミン ミン ミン 
    ミミン ミン
     

     

     

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  • 氷の帆船

    2015/11/01

    変な詩

    オーロラゆれる空の下 
    果てなく広がる氷の海原 

    その凍った海の真ん中に 
    氷の帆船 浮かぶとか 


    氷の帆船を見た者 
    凍えて必ず死ぬ 

    凍えて死んだ者 
    氷の帆船の船員となる 

    氷の帆船の船員 
    重い氷の鎖につながれる 


    氷の鎖を切断すること 
    けっして亡者にできぬ 

    生者ならできるが 
    ここまで辿たどり着けまい 


    星の磁場のすきま風
    太陽風にゆれる七色カーテン 

    凍った海の真ん中で 
    オーロラ見上げるばかりなり

     

     

     

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  • 川のほとり

    2015/10/27

    変な詩

    ひとり、川のほとりにたたずんでいると 
    川上から賢者が流れてきた。

    「助けてさしあげましょうか?」
    私がたずねると 

    賢者はそっけなく 
    「わしのことはかまわんでくれ」

    そのまま川下へ流されていった。


    しばらくすると 
    今度は愚者が流れてきた。

    「助けてやろうか?」
    声をかけると 

    愚者は喜び 
    「うん。頼む」

    私が川の中に入ると 
    愚者は私の腰にしがみつき 

    そのためバランスをくずして 
    私も一緒に流されてしまった。

     

     

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  • 鳴り響く

    2015/10/26

    変な詩

    未開地に 民族の太鼓 鳴り響く

     ドム ドム ドム
     ドドム ドム 


    ナイフで延長 生命線

     ギリ ギリ ギギリ
     ギギリ ギリ 


    胃壁のポリープ つまんじゃえ

     グニュ グニョ グニョニョ
     グニュニュニュニュ 


    股関節とか はずしましょ

     グギギ グギギ
     グギギッギ 


    お口の端から よだれが垂れた

     ダラダラ ダラリ
     リダラ ダラ 


    肩甲骨を ねじまげよ

     メキメキ メキッキ
     ボキ バキ ベキ


    真っ赤な 血だって 流れます

     ドクドク ドックン
     ドクドクドク

     

     

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  • 雨乞い唄

    2015/09/22

    変な詩

       雨 雨
       雨雨雨

       雨 雨
      雨雨 雨雨

      雨が降りゃ


       恋 恋
     来い来い来い

       恋 恋
     恋来い 恋来い

      恋来ない


      来い 来い
       雨雨雨

       恋 恋
    来なくていいから

      雨よ降れ

     

     

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  • 宝の隠し歌

    2015/09/12

    変な詩

    青い星と赤い星とが 重なる夜ぞ 
    鎌捨て池の穴から覗き 鋸山の方角ぞ 

    白い背の双頭の竜が 崖登る 

    右の岩には 腕なき天女 
    左の岩には 首なき天女 

    二人の胸に挟まれば 竜の口ななめに開く 

    牙を折れば 喉が裂け 
    髭を折れば 口閉じる 

    盲目の六匹の蛙 お持ちかね 
    六輪の赤い花も 咲き誇る 

    花が泣けば 天崩れ 
    花が笑えば 底ぬける 

    花が歌えば 蛙も歌い出すわいな 

    百足の穴には 蛍棲み  
    船に乗るには 銭がいる 

    黄金の玉座は まわる まわる
    白銀の太き鎖に縛られて

     

     

     

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  • 小さな滝

    2015/09/11

    変な詩

    この小川を遡ると 
    やがて小さな滝にぶつかる。

    そこは岩々が膝を立て 
    今にも倒れそうな崖になっている。

    崖の中腹にはススキが生え 
    やわらかい穂先が風にゆれている。

    そして、ススキの根元の岩の割れ目から
    清水が湧き出ている。

    その透明な水は岩間に沿って流れ落ち 
    ささやかな小川が始まる。

    途中の白い岩肌には
    しがみつくように藻が付着している。

    やや飲みにくいけれども 
    その水はおいしい。


    こんな小さな滝なので
    日照りが続けば涸れてしまう。

    しかし、雨季には草笛のような音を立て 
    激しく吹き出ることもある。

    その時、湯気のように水煙が立ち 

    小さな滝の手前に小さな虹が
    かわいらしく架かる。

     

     

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  • 殺生石

    2015/09/01

    変な詩

    そなた 殺生石 
    飛ぶ鳥落とし 寄るおのこ堕とす 

    白面金毛 九尾の狐 


    今宵 コンと鳴かば 
    しかばねの 

    累々たる惨状ぞ 


    われこそ陰陽師 
    の輩など 

    見抜いたと 
    逆に見抜かれ 

    紙の人 


    撫でられ 吹かれ 
    たばねられ 

    大祓に 燃やされる

     

     

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