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2014/12/22
美しき顔を沼の面から突出してはいるものの
やはり、どこかありきたりな美しさ。
その首から下の隠された大部分は
おそらく醜く、不具不浄であろうと思われる。
なぜそこまで外面を取り繕うのか。
いつか沼は涸れる。
やがて干からび、屍となる定め。
いやでも総身を白日のもとに捨て置かれ
堆積した内面の恥を晒さねばならぬ。
それは膿み爛れ腐り崩れ
周囲に異臭まき散らし
おぞましき虫ども
うじゃうじゃ這いまわる棲家ぞや。
ついには見るも無残、ああ
その薄皮のごとき仮面もはがれ落ちん。
2014/10/10
踊りたかったから
ダンサーは
ダンサーになったはず。
だから
踊れなくなった
ダンサーは
振付師になるかもしれない。
だけど
踊りたくなくなった
ダンサーは
いったい
なんになればいいのだろう。
2014/08/07
こんなこと
いくらしたって
どうにもならない
やるせない
こんなもの
いくらあっても
もらいてもいない
やるせない
2014/07/22
ぬばたまの
闇を切り裂き
押しひろげ
はらわたつかんで
投げ出さば
介錯なんぞ
いらぬもの
2014/07/19
「雲の上はいつも晴れ」
そう君は言うけど
雲の下に雨が降っているなら
たとえ雲の上がどんなに晴れていたって
そんなの
なんの慰めにもならない
大人げないけど
そう言い返したくなる
2014/07/08
何処へと
問われたれば
破滅へ と
答えたき世の
めでたさや
嗚呼
めでたさや
2014/07/07
後悔の
深き吐息に
膝も萎え
虚ろな胸に
秋風の吹く
嗚呼
傷ましく
鳴り響く
鐘の音よ
打ち鳴らせ
打ち壊せ
天も地も心も
諸共に
2014/06/06
「あなたのため」
で始まって
「あなたのせい」
で終わった恋は
本当に
「あなたのため」
であったのか?
本当に
「あなたのせい」
であったのか?
「わたしのため」
ではなかったか?
「わたしのせい」
ではなかったか?
2014/06/05
なべて死は 遠く近く
忌み嫌えど 寄り添い
望むれど 突き放す
蜻蛉の数刻
屋久杉の数千年
夢幻の如く ゆらめいて
残雪の如く 消え失せぬ
2014/05/29
忙しなく
共鳴す
音の柱を
縫う如く
言葉を紡ぎ
韻を踏み
間を沈黙と
置き換えて
我を雅と
思し召せ
惑えども
留まらず
恥らいつ
身を晒す