有田やもり

絵描き 

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    Works 49

有田やもり

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有田やもり

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  • 絶不調

    いまぼくとってもおちこんでるのもう1秒もいきてゆけなーい。

    とうだりつつ1日が始まるのである。どうしたものか。
    こんなんだから、こんなんなもので
    人類遺伝学といもでんがくについて言及したり
    暗い気分で頭をうなだれているとうなだれすぎてでんぐりがえりをしてしまうのだけれどもでんぐりがえると頭はしぜんにあるべき位置に戻ってくるものだ、しかし、だのに、にもかかわらず、依然として暗い気分で頭をうなだれてしまうとまだでんぐりがえり頭を抱えてうんうんジタバタしているうちにごろごろと前転を繰り返してしまう、そのうち柱にぶつかり始めて頭をあげて辺りを見回すと、ひどく蛇行してはいるが頭を抱えてジタバタした間にも確かに前に進んでいるものだと気がつくのだ
    などと遠い眼をして考えたりしている。
    世も末か。
    いや、てか、僕が末だ。

  • とある日の完全武装、ふるふる

    某日、鞄には読みさしの本、泉鏡花『春昼・春昼午刻』が入っている。
    某人が澁澤龍彦の本を貸してくれるというので喜んでゆくと僕にくれるという。
    大喜びしつつ帰路、吉田篤弘の新作が出ていたことを思い出しリブロでゆらりゆらりすると、すわ、リチャード・ブローティガンの未発表作が。
    没後四半世紀もたとうというのに、未発表作が。
    しばし立ち尽くしてふるふるする。迷わず購入し真新しい単行本を二冊抱えてにやけつつ再びの帰路。つまりぼくは。
    つまり僕は今、泉鏡花の春昼と澁澤龍彦と吉田篤弘とブローティガンを愛書として連れてこれらと共に移動しているわけであって。ふるふる。
    こんなに素敵なことってないよ。ふるふる。

  • タコと馬の無い夜

    友、ケンタウルスさんに本を貸し本を借りる。
    ケンタウルスさんは馬車馬ぶりと馬力の話を、僕は近日の南進の話をしつつ、ケンタウルスさんはタコが、やもりは馬が食したい気分で夜をさまようも、出会えない。
    どうしても出会えない。
    しかたがないので鮭を頂く。
    「ウーパールーパーだけはけがさないで」というケンタウルスさんの名言に大いにうなずき、クリスマスの日靴下に鮮度のいいタコをそっと入れておく様なんかを想像し、オフロスキーズというロシア語だか英語だか解らないがその実どちらでもない名前を分かち合って、漂流して漂流して帰路。
    タコと馬さえあれば。

  • フィガロの納豆

    ひとりのつつましやかな夕食。納豆ごはん。
    アマデウス・モーツァルトの『フィガロの結婚』を聴きつつ
    思わず指揮を振ってしまい、ねばねばする。

  • あれらとの再会

    某日、南進から帰還し、思うところあり
    上野動物園の爬虫類館に籠城。
    ヤモリは家に憑くもの、遠出はもとより得意でない。
    トッケイオオヤモリやニホンヤモリ、クールトビヤモリをはじめメキシカンサラマンダーの有色個体やシュレーゲルアオガエルちゃんなどと再会を果たし
    自らのアイデンティティを取り戻す。
    爬虫類としての英気を、存分に養う。

  • 雲になりたい人との再会

    岡山からの帰路、大阪に立ち寄り
    友、雲になりたい人との再会を果たした。
    もうほんとに、雲との再会の他に是と言って大阪訪問の目的もなかったのでほんとに他には何もしない。

    雲は、相も変わらず天高くにおられ、
    僕らは文学と蛙と自転車と美術なんかについて、ややハイテンションに、暑苦しく語らう。
    遠く大阪まで来て、星新一や安部公房などについて語らい、自転車の話に至っては始終笑い転げるという珍事態も、やはり好ましい。
    とにかく自転車自転車、大笑いして、
    雨で赤ちょうちんの色もうるむ大阪を後にする。

  • くだもの姫との再会

    この数日のできごとをつづろう。


    某日、岡山まで南進。
    友、くだもの姫との再会を果たした。
    くだもの姫との再会以外に岡山訪問の目的は是といってなかったのだけれど
    天気に恵まれたので庭園を訪ねる。
    竹林のもとひなたぼっこをしたり、苔や穴の写真を撮ったりなどして
    爬虫類としての英気を養う。しばしの至福。

    くだもの姫は相も変わらずに麗しく、
    アフタヌーンティーと洒落込み文学と蛙、雪山と馬について熱く語らう。
    遠く岡山まで来て、種田山頭火やドストイエフスキーの著書、愛すべき小さき両生類や雪山についてごくごく自然に語らえることが好ましい。
    人としての英気を頂いて、帰る。
    僕は人からもらうものばかりだ。

  • 何重の猫

    お酒が入ると脳内言語がますます思弁的になって困る。
    懐かしい顔ぶれと夕食、しばし美術談義をした後、ぐえ。
    人といることがそんなにも負荷がかかるのだろうか。
    何重にも猫を被っているのだろうか。
    ひとりになるとたまらなく自虐的な気分になり
    俺くたばればいいのにー俺くたばればいいのにー
    我と我が身をののしりながら、帰路。

    土曜の朝は寝坊をして、掃除をして、洗濯をして、
    日常的な些細な物事たちに救われ、少し、自分のリズムを取り戻す。


    依頼のフクロウの絵の作業。
    気持ちを開放して色を乗せる段階になりやや楽。
    強いコントラスト。
    青が踊る。
    絵が自らの意思で動き始め、名を名乗った。
    のでタイトルも決定。
    仕上がり近し。

  • 和展

    2010/03/18

    Gallery Report

    友の参加するグループ展、
    横浜は中華街ギャラリーart Truthにて昨日より開催の「和展」をみにゆく。
    現役大学仲間の展示なので全体的に若々しい。
    奴の2枚の絵のモチーフは金魚であった。きんぎょ。
    奴らしいモチーフで、少し懐かしくなりつつほっとする。

    友人が活動しているのを見聞きするのは嬉しい事である。
    15の頃、トンボの油絵に取り組む僕を、はは僕はそんなものはあまり好きじゃないよとかぬかしていたあの者が、今や、俺は画家になる美術以外はしたくない大学では版画が全く理解されていませんねなどと大口をたたく。
    俺なんか僕なんかその度にひそやかにぎらぎらしてしまう。
    僕の美術への態度を笑ったものが、あたかも俺なんか太古より美術に夢中なんだよみたいに語る。
    やや、笑止である。
    であるが、それもよかろう。
    同世代でモノを作る人間とつながりがあることは素敵なことなのであるし、ギラギラしちゃう相手は貴重なのだから。
    なんて、駄推する。

    和展

  • リアル電車男

    遠出のために新幹線の切符を買いに行く。
    ヤモリは家に憑くもの、遠出はもとより得意でない。
    路線やなんかのことも兼ねて詳しく聞こうとみどりの窓口に並ぶと、
    真横にぴたりとつけられた。
    すわ、なにやつ。
    鉄道員であった。路線図マンであった。
    長蛇の列の窓口からさっさと空いている券売機のもとに案内され
    教えを請いたい旨を伝えると、てきぱきと、何もかもが滞りなく済んだ。
    感心して聞いているとどうやら主要路線はすべて脳内にしかれているようである。
    恐るべき能力!電車口調!もうちょっとゆっくりしゃべってくれたらいいのに!

  • おののく

    脳内電球が切れたり呼吸の方法を忘れたり
    なぜだか退屈をしない日々なのだけれども
    三月が半分過ぎていることに気がついて、わお、おののいたしだいである。
    光陰ハレー彗星の如し。

    今月はまだ本を3冊しか読んでいない。
    1冊目が久々の800ページ超の大作であり、また、人と会う機会も多く独速度は酔っ払いの蟻の如くにて、一昨昨日読了。後は一昨日2冊目昨日3冊目と読了。

    ヤモリは、
    ヤモリは小型の爬虫類で完全無害なる夜行性生物なのだけれども
    だけれども
    夜は寝るべきだ、本当に。
    早寝早起きがしたい。

  • マザーシップ

    旧友ゆずぽん酢氏が個人的戦闘より帰還。
    空母やもり、などとのたまいつつピックアップに向かう。戦闘機の回収は空母戦艦の仕事なり。ちゃちな空母である。
    町田康の長編小説を読みながら終電で帰る。終電を乗り継いで帰る。

    あくる日
    恩義を感じている夏蜜柑嬢を招いて昼食会、のはずが夕食会、てゆうか飲み会、と不如意の玉突き事故が勃発し、モエ・エ・シャンドンとシャート・ル・クレリオを空ける。
    アルコホールばかりを飲んでいる気がしてならない。
    只でさえ薬物の種類が多くて腎機能に負担をかけているとゆうのに。


    活動している。
    渾身の一枚、依頼のフクロウの絵を作業。仕上がりは近い。いっきにいきたい。
    五月の幸伸ギャラリーでのグループ展への、ラフ、ラフ。

    マザーシップってゆうとうかぶのはLedZeppelinなのだけれどそういえば僕の誕生日は
    飛行船Zeppelin号が飛んだ日。飛べないヤモリはどうするのか。
    それ、働け働け僕。

  • 病ンデモ、シアワセ。

    あなた、こころのやまいです。
    実家に戻って家族と夕食をとった後、志を同じくする学び舎の仲間と気分良く談笑した後、ひとり吐く。
    強迫神経症、嘔吐症状。
    眠れないけれど明日は来るのでなすべきことはあるので複数種の錠剤を使用した翌朝の副作用は重いぜ。
    慢性不眠症。
    息の仕方がわからない。息の、いきの、生きの。
    心因性過呼吸症。

    息ができないとひどくみじめである。
    肺呼吸もできないのに陸に上がった俺が僕が悪かったのだ。
    くたばればいいと思う。
    死ねばいいんじゃないかしら。
    罵詈雑言。
    我とわが身よ、あぁ!くたばりやがれ。
    あまりにみじめな気分だったのでうっかり泳ぎに行ってしまった。
    意地で1500m泳いだ。
    さすればどうだ。息は切れるし、筋肉痛だし、もう。


    旧友、賢者から深夜に電話。生きてるかと生死を問われる。
    旧友、ゆずぽん酢氏との会合、春期ホリゴメ会を開く。議題は主にごまだれについて。
    ゆずぽん酢氏は手土産にとゆずぽん酢とチンウツボのパイを持参。
    奇っ怪なり。しかれど愉快である。
    雪散る空にがおがお吠えたい俺は僕はまるで寂寥の荒野にあるぞかし。
    意識は脊髄にぶらさがる果物のごとし。
    駄目だなあ。駄目すぎる。
    けれど病んでも幸せ。

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