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2010/01/23
猫たちは、毎朝起きるとまず庭へ出ることを日課にしている。
今朝も私が起きて下に降りて行ったら、まずふくちゃんがやって来て、窓を開けろと催促した。
鍵を外して猫の幅だけ開けてやると、よく冷えた朝である。昨夜の予報では暖かかった前の日よりも11度下がるといっていた。実際に何度まで下がったのかは知らないけれど、細く開けた隙間から、冷たい空気がすうっと流れ込んできた。
ふくちゃんは窓の前に突っ立ったまま、外の匂いを嗅いで、寒いからどうしようかと躊躇している。そこからなかなか進もうとしないので、こちらも寒くなって窓を閉めてしまったら、あっさり諦めてくるっと向こうへ行ってしまった。
次にみゆちゃんが来て、窓を開けろといった。みゆちゃんも思いとどまるかと思ったら、潔い勢いで、さっと出て行った。
それを見てふくちゃんも部屋の向こうから駆けてきて、後ろについて出て行った。そういう点でふくちゃんはみゆちゃんのことを姉貴分だと思っているらしく、みゆちゃんのあとを追いかけることが多い。もっとも、みゆちゃんを押しのけて猫タワーの一番上を陣取ったり、みゆちゃんのおやつを手で引っ掛けて横取りしたりと、いい加減な妹分である。
猫たちが出て行ったと思ったら、1分もたたないうちに、窓の向こうに白い影がうつって、みゆちゃんがもう入るからはやく開けろと訴えている。やっぱり寒かったらしい。妹分のふくちゃんを置いてさっさと自分だけ部屋に戻ってきた。
それから遅れること、さらに1分ほど、もうみゆちゃんが庭にいないことに気づいたのかもしれない。ふくちゃんも入れてくれと窓辺に寄って来た。
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2010/01/22
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2009/12/06
去年の冬、みゆちゃん、ふくちゃんのどちらもが猫タワーの一番上にある台座に乗りたがったので困った。猫タワーはエアコンの前にあるから、そこがおそらく、一番よく温風が当たるのだろう。当然のことながら最上階の台座はひとつであるから、もめる。タワーの真ん中あたりにも穴倉のような猫部屋がついているけれど、そちらは見向きもしない。
もともとその台座はみゆちゃんのお気に入りの場所であったのに、新米の子猫だったふくちゃんが図々しく奪いに来た。神経質で遠慮がちなみゆちゃんが取り返せなかったりして、見ているこちらはずいぶん気を使った。
それが、しばらくすると、いつのまにかふくちゃんはタワーの最上階に興味を失ったかのように全然使わなくなって、またみゆちゃんの専用に戻った。台座はそれほど大きくなくて、みゆちゃんが丸くなってぴったりなくらいだから、あるいは大きくなりすぎたふくちゃんにはもう狭くて居心地が悪くなったのかと思った。また寒い季節が来るまでは。
今年の秋が深まって、部屋に暖房を入れるようになった途端、ふくちゃんがふたたび最上階を取ってしまった。それまでずっと台座を使っていたみゆちゃんはもちろん不服である。台座を取られると、ひとつ下の段に立ち上がって台座に手をかけ、ふくちゃんの背中に「のけ」とばかり噛みつく。ふくちゃんは当然、応戦する。みゆちゃんの首に両手で組み付いて噛み返したり、前足で上からみゆちゃんの頭を押さえつけたり、台座とその下の段で、二匹がしょっちゅう猫パンチを出し合い、組み合っている。
それほど本気でやり合っているわけではないが、ふくちゃんは怒ったように尻尾をぱたぱたさせているし、みゆちゃんの尻尾は大きな毛虫みたいにぼさぼさに膨らんで、どちらも耳は後ろを向いている。
結果は、たいていみゆちゃんがあきらめて終わってしまう(もっとも、一度だけみゆちゃんが押し勝ったところを見たことがある)。みゆちゃんがかわいそうなのだけれど、一方的に私がみゆちゃんの肩を持って、ふくちゃんを台座から抱き降ろしてしまうというのもためらわれる。仕方がないから、猫じゃらしを持ってきて、猫トンネルの中でかさかさ動かす。そうすると、ふくちゃんは何もかも忘れて自ら遊びに降りてくるから、そのあいだにみゆちゃんが台座に上る。
猫タワー、もうひとつ買わないといけないかなあ、と私がぼそっとつぶやくと、「買わんでええ」と夫が即答した。それもそうではあるが。
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2009/12/03
ふくちゃんは、公園に捨てられた母猫と4匹の子猫のうちの一匹をもらってきたのである。ふくちゃんのほかに、黒と茶白ともう一匹黒白の子猫がいたが、黒と茶白ははやいうちにもらわれて、結局三毛の母猫と黒白の子猫が公園に残った。
この母娘もとても人懐こくて遊び好きで可愛らしくて、貰い手はつかなかったけれど、猫ボランティアの人が小屋を作り、毎日の食事の世話をして、公園へ来る人たちの人気者になった。ふくちゃんよりも体の白い部分の面積が大きい黒白の子猫は、ゴマちゃんという名前がついた。その頃、私の父も毎日のように散歩がてら公園へ行ってゴマちゃんと遊んでは、ゴマちゃんは可愛いなあとしょっちゅう言っていた。
それからしばらくして、今年の秋の、まだそれほど木々の葉が色づかないころだったと思うけれど、近ごろもゴマちゃんに会いに行っているのかと父に聞いてみたら、ゴマちゃんは交通事故で死んだらしいということだった。
三毛の母猫のほうは、誰か貰い手がついたという話であった。
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2009/12/02
うっかりしていて過ぎてしまったけれど、11月17日は、ふくちゃんが我が家にやって来て、ちょうど一周年の記念の日であった。その日は幼稚園の行事があったり、慌ただしかったりで忘れてしまっていて、一週間ほどすぎたところで、あっと思い出した。
もう一年経つのかと思う。最初の頃は神経質なみゆちゃんが新しく来たふくちゃんを嫌がって、フーフー怒ったり、二階に閉じこもったりしていたが、どんなに威嚇されても気にしないふくちゃんのいい加減な、よく言えばおおらかな性格がよかったのだろう、次第に打ち解けて、寒い季節だったこともおそらく幸いして、二週間くらい経つと、二人一緒に眠るようになった。今ではすっかり仲良しで、顔をくっつけて抱き合って寝るのはもちろん、よく二人で遊んでいるし、相性はいいほうなのだと思う。でもやっぱりみゆちゃんはいまだにふくちゃんに遠慮するところがあるのか、私と遊んでいてもふくちゃんが参入してくるとあっちへ行ってしまうし、お気に入りの場所もふくちゃんにとられてしまったりする。
来たときにはみゆちゃんより小さい子猫だったふくちゃんも、今では、みゆちゃんより肩の高さも横幅も大きくなってしまった。
夫は、最初私が猫を二匹にしようといったとき、別に無理に増やさなくても、と少し渋るような風だったけれど、すぐにふくちゃんの虜になって、毎晩仕事から帰ってくると、丸くなって眠る二匹をかわるがわるに眺めては、可愛い可愛いとしまりない顔をしている。
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2009/12/01
横浜のインディーズブランド、ROUROUのホームページにて連載中の猫マンガ、「中華街のミケ」のvol.14がアップされました。
ぜひご覧ください。
http://www.rourou.com/whatsnew/diary_column/neko/09/1128_1547.php
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2009/11/27
前回書き忘れたけど、ふくちゃんが食べる変なものにもうひとつ、お香がある。スティック状のお香を陶器のお香立てに立ててトイレに置いておいたら、入ってきたふくちゃんがくんくん匂いで興味を示し出した。前足でちょんちょん突付いているので、遊んでいるのかと思ったら、そのうちぽきっと折って、その折れたお香をばりばり噛んで食べてしまった。
それ以来、トイレにお香は置けないでいるのだけれど、お香立てのお香を入れる穴に折れたかけらが残っているらしく、ふくちゃんはトイレに入ってくるたび、お香立てに頬っぺたや口元をすりつけている。ひもの切れ端を食べたりするのとは違って、お香には何かまたたびのような、ふくちゃんを酔わせる成分が入っているのではないかと思う。
ちなみに、またたびの粉末で作ったお香というのが売られているらしい。猫と一緒に香りが楽しめる、というようなキャッチフレーズで、点火すると、またたびの匂いは人間にはわからないが、バラやラベンダーの香りがするようになっている。
可愛い猫の絵の筒型のケースに入っていて、お香それ自体もイチゴミルクのポッキーみたいで可愛らしいが、またたびでできたお香となると、普通のお香でさえ食べてしまうふくちゃんには香りだけを楽しむ余裕なんてないだろうから、うちで使うのはおそらく無理だろう。
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2009/11/27
そして変食する猫の三匹目はふくちゃんである。紙の仮止めに使っているマスキングテープを短く切って机の端に貼り付けておいたら、次の日になくなっている。おかしいなと思ったら、ふくちゃんが食べてしまっていた。白くてぺらぺらしているところが乾しカマに似ているからかしらと思ったが、そのほか、ひもや輪ゴムの切れ端なんかも、落ちていると拾ってくちゃくちゃ噛んで飲み込んでしまうから、子供が工作遊びをしたあとなどは、そういったごみが落ちていないか注意しなければならない。
一度、ふくちゃんがこふこふ咳をしはじめて、何か喉に引っかかった物を出そうとするようにげーげーしだしたことがあった。おそらく何か変なものを食べたのだろうと思う。しばらく様子を見ても治らないから、念のために病院に連れて行くことになった。
変食の癖があるから、食べた現場を見たわけではないけれどなにかおかしなものを食べたのかもしれない、ということを伝えたら、獣医師が、食べたものがもし糸だったら一番危なくて、最悪の場合、腸に巻きついて腸が千切れてしまうことがある、というので、恐ろしくてひっくり返りそうになった。
レントゲンも撮ったけれど結局原因はわからなくて、家につれて帰ってしばらくするとおさまったからよかったものの、そういう怖い話を聞いてしまったので、とくに糸に関してはじゅうじゅうに気をつけるようになった。
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2009/11/26
猫の中には、変なものを食べるのがいるようである。「変なもの」というのは、食べ物というカテゴリーの中でたとえば珍味みたいなもの、というのではなくて、全然食べ物ではないもの、という意味で使っている。そういうものを食べてしまう猫を私はいままでに三匹知っている。
一匹目は、初代家猫タヌキの兄弟・ゲリスンで、なぜか発泡スチロールみたいな合成樹脂を好んで食べた。その頃タヌキ、ゲリスン兄弟は家の外に父が作った猫ハウスに寝ていたのだけれど、ある日、猫ハウスに敷いた毛布を干そうとハウスの屋根を開けてみたら、保温のために壁の内側に貼り付けていたオレンジ色の発泡スチロールのマットが、半分くらい齧られてなくなっていたのである。このほかゲリスンは、おもちゃとして与えたゴムのトカゲもしっぽのほうから半分くらい食べてしまった(気づいて慌てて取り上げたけれど)。
二匹目は、タヌキがつれてきたプリンの子供の、アニちゃんという大きな黒猫である。あるとき、夜中に父がトイレに起きたところ、アニちゃんの口からひもの端がはみ出しているのに気づき、びっくりして引っ張り出してみると、ぞろぞろと喉の奥から30センチくらいの長さのひもが出てきた。このアニちゃんは、ゲリスンと違って変なものを食べる常習犯というわけではなくて、どこか抜けたようなところのある猫だったから、何か勘違いでもしてひもを飲み込んでしまったのかもしれない。
(三匹目は次回です〜)
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2009/11/17
しばらく切らしたままになっていた、うちの猫たちの大好物、乾しカマを買ってきました。
さっそくあげようと袋を開ける私の足元に寄って来て、じっと乾しカマを見つめる二匹は、まるでいつもと違う目の色。
この乾しカマ、開封後、冷蔵庫に入れておくと少しずつかたくなってしまうのですが、開封したては柔らかくて、本当に美味しそうです。
みゆちゃんとふくちゃんにそれぞれ同じくらいずつあげました。いつものようにみゆちゃんはマイペースでもぐもぐ(もしかしたら多少急いでいるつもりかもしれないけれど)。ふくちゃんはあっというまに食べてしまうと、残りを冷蔵庫に仕舞いに行く私に走ってついてきて、猫が変わったみたいに「ナゥーッ」とかなんとか、普段言わないような鳴き方をするので、しょうがないからもう一口おまけにあげると、それもあっというまに平らげて、みゆちゃんがまだ食べているのを確認するや否や、ダッと駆け戻り、みゆちゃんの残りまで横取りしてしまいました。
不服そうな顔のみゆちゃん。ルール破りのふくちゃんのおかげで、毎度のことながら、乾しカマを平等にあげるのには苦労します…
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