1万8000人の登録クリエイターからお気に入りの作家を検索することができます。
2007/12/10
雪柳は「雪」であり「花」だった。「冬」であり「春」だった。
白という光の中に、春と冬が溶け込んでいた。
まるで、希望と苦悩が渾然一体になっている青春時代のように。
青春は、苦しい。悩みばかりだ。しかし、悩みがあるから、心は育つ。
うんと悩んだ日々こそ、一番不幸だと思った日こそ、あとから振り返ると、一番かけがえのない日々だったとわかるものだ。
だから苦しみから逃げず、苦しみの真ん中を突っきって行くことだ。それが森を抜ける近道だからだ。
寂しければ、その寂しさを大事にすることだ。寂しさや悲しさを、遊びなんかで、ごまかすな。使い捨てるな。耐えて、耐えて、自分を育てる「こやし」にしていけ。
雪柳は太陽への感謝を忘れない。
太陽は、いつも惜しみなく光を注いでくれた。いつも、ありのままの自分を、そのまま受けとめ、光で包んでくれた。だから今、雪柳は「太陽への恩返し」のように、明るく周囲を照らしている。
人間だって、花と同じように、光がいる。人も、人から大事にされないと、心が枯れてしまう。だから君が、みんなの太陽になれ。
運命は外からやってくるんじゃない。君の心の中で毎日、育っているのだ。
毎日がつまらない時。それは自分が、つまらない人間になっているからかもしれない。
人生をむなしく感じる時。それは自分が、からっぽの人間になっているからかもしれない。
人生にうんざりした時。人生のほうが君にうんざりしたと言っているのかもしれない。
青春の悩みは即、光なのだ。
雪柳も、冬の間に積もった冷たい「雪」たちを、枝から染み込ませて今、「花」に変えて噴き出しているのだろう。