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2019/12/31
「Schlomo」よりスケッチデッサン
本日展示会を無事に終えることができまして、見守ってくださった皆様、お越しいただいた皆様、
コメントでお声がけしてくださった方々に心より感謝申し上げます。
おかげさまで今年一年をとても良い年にすることが出来ました。
本当に濃い一年で沢山ご迷惑もおかけいたしました。
ですが自分にとって欠点を克服したり勉強したり、1年前、10年前の自分からは想像できないほど成長の年に出来たと思います。
これもすべて出会ってくださった人、携わってくださった方々のおかげに他なりません。
私が「彩色切り絵」を追求するのは自身が日光アレルギー・紫外線過敏症の闘病生活による人生観の変化でありました。
今でこそ原因が分かり、この数年で劇的に症状も治まりましたが、私の場合は食物アレルギーとも関連した大変厄介なタイプで、その症状は枚挙に暇がありません。
幼少期から原因不明の体調不良で病院を転々とし、原因がわかるまでにあまりにも長い時間を要しました。
冷蔵庫のランプを一瞬でも見ただけで数日かかってじわじわと瞼が腫れあがって常に瞼が蚊に刺されたような痒みが続き、
一瞬でも触ると刺激でさらに腫れあがり髪も抜けお岩さんのように目が開けられなくなる毎日でした。
それは笑顔を作ることがどんなアクセサリーよりも美しいことを知ったかもしれません。
「宝石を求めるな。
宝石商を探し求めよ」
これもまた「鳥の言葉」に出てくる好きな言葉です。
眠りにつくと決まって涙液が止まり、瞼が眼球に貼りつくので目薬を差すよりも先に目を動かすと激痛の後に視力が無くなることもしばしばです。
生活は常に黒いサングラスと帽子と手袋と分厚い黒い衣服で覆われた暗闇の中でした。
人は愚かなほどにそんな姿を嗤っていきますが、しかし、どんな小さな光も美しく見える場所だったかもしれません。
人目を避けるように逃げ込んだ自然の中からは命の美しさを教えられました。
何年も絶望の中をただただ歩くようなある時、夕暮れの散歩道でどうしても裸眼でほんとうの色彩を見たくなってサングラスを外したことがありました。
そこにある普遍的な変哲のない田畑と、人魚の鱗のような川面から、輝く雲の夕空に向かって飛び立つ鳥たちに、そこに神がおわしますか。「この世界は美しい。」とブッダが最後に言ったという、その言葉の意味が、ほんの少しだけわかったような気がした瞬間でした。
「あの空に飛んで行くこの鳥は
かの国で聴いてはならない神の御名を知るのでしょうか」
カラフルで好きな衣服を身に纏い、輝く色彩を見ることができるということは、とてもとても幸せなことです。
だからこそ暗闇に棲む者にとっても輝く彩りにあふれた世界を与えたいと、
「彩色切り絵」に思いを込めて、これからも表現して行きたいと思います。
人の気持ちは変わります。
自分の変わらない気持ちだけを見つめていけば良いと思うことに。
変わっても良いのですが。
来年が皆さまにとっても幸多き年となりますように。
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