クシキノアイラ

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神奈川県海老名市

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  • おいでおいで

    鹿児島は早植えの米が収穫間近。
    田んぼと田んぼの間を通ると、
    頭を垂れた稲穂が風にゆれ、
    「おいでおいで」と誘っている。

    田んぼの隅には、南九州ならではの石仏が。
    昼下がり、たのかんさぁは金色の田んぼを見つめている。

    神が住まうこの土地はとても美しいと思う。

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  • 温故知新

    ミケランジェロ作で有名なシスティナ礼拝堂の壁画は、
    ある時期ごとに修復されていた。
    しかしそれは、退色した部分を新たに着色して行く
    と言うものだった。
    近年行われた修復作業では、十数年という年月をかけ、
    少しずつ壁画を洗ってゆくという手法を用いたと聞く。

    その結果、煤けていた壁画は、
    汚れの下から鮮やかな色を示したのである。

    壁画が製作された当時、これ程鮮やかな色であったのかは
    現代人には分からない。
    ただ、古くからあるものに対して、
    常に新しい手法のみを用いることが最適であるとはいえない
    と思う。
    現に、壁画という歴史の積み重ねの基には、
    鮮やかな色が隠されていたのだから。

    世代交代をしても、本当に美しいものは色あせないのかも
    知れないと思った。

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  • ただれた空

    夕暮れ時、垂水港にて空を見上げると、
    うろこ雲が朱と金に染まっていた。

    まるで、剥がれかけた かさぶたか
    治りかけの火傷のようだと思った。

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