マッコウクジラ

アート歌人

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高知県高知市

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  • 掌編(その8)

    見ている

     拝啓

     突然のお手紙で驚きましたか?しかし僕は誰よりも君の事をよく知っています。
     今日も君は定時に会社を退社して、そして高島屋新宿店タイムズスクエアで買い物をして、JRに乗り中央線の東小金井駅で下りましたね。そして、途中セブンイレブンで時間を潰してPM9時に帰宅しましたね。
     そして君はシャワーを浴びましたね。オレンジ色の光のシルエットに映る君の姿が僕の為に綺麗に磨いているんだ・・・と思うと、もうこの欲望を抑えられるスイッチがレベルMAXに近付いてきているのだな・・・という事を感じています。もうすぐ僕のモノになるんだと。
     この間ゴミの日に捨てた君の水色のハブラシ大切に使ってますよ。これで君と僕は水色のハブラシを通じて接吻したんですね。あ〜君の口の中の世界が僕の口の中に広がってゆく。僕と君はつながったんだよ。けどダメだよ。ゴミは当日の朝にちゃんと捨てなきゃ。僕はそういう事はとっても厳しいから、次からちゃんとするんだよ。
     ところで君は、4月12日にホームページを開設しましたね。これからは毎日君に素敵なメールを送る事にするよ。きっと君はこの僕を好きになるはずさ。
     逃げたってムダだよ。恐がったってダメだよ。だって僕は誰よりも君の事を見ているのだから・・・。

     敬具

           あなたのSより

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  • 掌編(その7)

    ねぐら

     昇一の城には摩天楼がそびえ立つ。そしてそれは四次元ポケットも兼ね備えたすぐれモノだ。右手を伸ばせば最新の雑誌、今日の新聞、読みたいマンガ、食べかけのポテトチップ、CDまで取り出す事が出来る。そして枕の上に置いてあるモバイルからは世界に繋がっていて、いつでも世界基準だ。
     昇一は今日も寝たままのパラダイスに浸る。うずたかく積まれた雑誌の摩天楼に囲まれて、世界に旅立つ・・・昇一の意思の赴くままに。
     だが、これは他の人が見ると単なるスラム街の様なきたないモノでしかないのかも知れない。けど昇一は、秘密の発信基地にいる探検者の様な感じで、なんとなくその状態が気に入っているのであった。
     そして昇一のねぐらには変わらない時間のみが世界と繋がりながら過ぎて行く・・・悠久の時に同化しているかの様に。

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  • 掌編(その6)

    真理香

     『真理香、今日もとってもキレイだよ。』
    勇太郎は、暗闇に妖しく光るパソコンの画面に向かってささやいた。
     勇太郎は、コンピューターで作り出したキャラクター、真理香に恋してしまったのだった。そしていつしか、勇太郎は現実の女では満足出来ず、真理香でしか欲望を満たせない体になっている事を悟った。
     何故真理香なのか?だって真理香はいつまでも年を取らないし、プログラム次第で俺の好みの女になってくれる。現実の女の様に文句も言わなければ、気まぐれに媚びる訳でもないし、嘘をつく訳でもない。黙って俺の方だけを見て微笑んでいてくれる。勇太郎は、今日の真理香をどんな姿に変えようか・・・そう考えながら、不敵な笑みを浮かべた。
     そして、いつでも真理香と一緒にいられる様にようにモバイルを買った。そしてもっと真理香に近付きたくてバーチャルギアも買った。しかし、それ以上近付こうとすると、真理香は勇太郎を拒む様にシステムの中にしかいない現実を思い知らそうとするだけだった。そうなると、勇太郎は今度は真理香に裏切られた様な思いが憎悪に変わり、システムのデリートボタンに手をかけていた。
     そして、放心状態になった勇太郎は、警察へと出頭し、こう告白して懺悔した。
    『僕は真理香を殺しました。だから僕を死刑にして下さい・・・・』

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  • 掌編(その5)

    モンローう・・・

    トイレ(大)の方へ行こうとすると
    近くにいる人に
    『何処へいくの?』

    ・・・って聞かれたので

    声をオクターブ上げて
    モンロー唇して
    『うんティー☆』
    って言ってみた・・・・

    即座に
    『バカか!』

    ・・・と言われた

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  • 掌編(その4)

    SAKURAドリーム

     どうしてこんな場所に桜の花弁が落ちているんだろう?修太は訝った顔をして、風呂場に落ちていた桜の花弁を拾った。もし、思い当る事があるとすれば、3日前の真夜中の夜桜に魅せられて、それ以来写真を撮りに行く事になった事くらいだろうか?けど、その後で風呂場なんか行ってないのに・・・そう首を捻って近くのゴミ箱にその花弁を捨ててた。
     その日の夜もカメラを持ち、修太は桜の女神に誘われる様にカメラを持ち夜桜の撮影に出かけた。そして、誰もいない真夜中の桜を撮影し、帰ろうとすると、背後から不思議な気配がする。思わず振り向いても、満開の桜がそこにあるだけで、他には何もなかった・・・不気味な桜の気配のみが漂うだけで。
     修太は、不思議そうに首を一瞬右に傾けてそのまま家に帰った。そして、家のドアを空けると、今度は玄関の中に桜の花弁が数枚落ちていた。どうして帰った後でなく、その前に桜の花弁が落ちているのか?そう思ったのだが、深く考えてもしょうがないので、その花弁を拾ってゴミ箱に捨てた。
     それから数日は雨となり、そして晴れになった日の真夜中、もう桜も散って駄目だろうな〜と思いつつも、修太は夜桜見物になんとな〜く誘われる様に出かけた。そして、修太が秘密の撮影ポイントにしている場所に出かけてみると、数日の雨に撃たれて葉桜となった木がそこにあるだけだった。思わず修太は残念そうに溜息をついて帰ろうとすると、今度は肩をつかまれる感覚があった。
     「えっ・・・!」
    と思って、修太が振り向くとさっきまで葉桜だった桜が満開の姿に戻って修太の前に立ちはだかった。しまった!と思って向きを変えたが、その方向も同じ桜の世界に変わってしまった。そういえば、夜桜の女神に魅入られた人間が、残念な顔をすると、その女神は一生その世界から離してくれなくなる・・・という言い伝えがある事を修太は思い出した。だが、もう女神のテリトリーの中でその気配を悟られた修太は、女神の生贄となるのかもしれない・・・そして修太は青白い風に吸い込まれて満開の桜の中へと消えていった・・・その後の修太の行き先は桜の女神だけが知っている・・・
     あなたも部屋の中にも桜の花弁が落ちているなんて事がありませんか?だとすると・・・・・

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  • 掌編(その3)

    ライス長官

     ・・・・・なんか顔が恐い。

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  • 掌編(その2)

    桜の怪

    今日は午後から雨でした・・・
    ちなみに今は桜の時期で桜散らす雨・・・となった訳で・・・
    こんな時って桜の木の下に駐車している車って悲惨というべきか・・・
    外を車で運転している時に、水玉というか桜玉というか・・・
    桜の花弁がまんべんなく張り付いた車を数台見かけました・・・
    今日は雨だけど、大雨ではないので、桜の花は散らしても、
    車に張り付いた桜を洗い流してくれるほどは強く降ってないので・・・
    と〜ぜん桜玉・・・
    これも一種の桜の怪・・・というやつでしょうか?

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  • 掌編(その1)

    シロの一日

     PM8:00シロはいつもの焼き鳥の屋台の近くに今日もやってくる。シロの本当の名前はシロではないのだが、ここにやってくるお客はシロと呼んで可愛がってくれるので、そういう事にしている。ちなみにシロの主もこの屋台のにいちゃんではなくて、少し離れた場所にれっきとしたシロの家もある。
     しかし、この屋台にやってくるお客相手に下手にじゃれる事もなく、近所にいる下等な犬の様に吠える事もなく凛として見つめていると、お客の方がその姿が記憶に焼きついて、次第に余分に焼き鳥を買ってシロに夜のおやつを与えてくれる。もちろん、屋台のにいちゃんもシロが売上貢献に役立っているので、追い払う事もしないし、プチ看板犬になっているので、屋台を退く時に余った肉なども与えてくれる。これは一種の共生というヤツだ。
     そして今日もシロは屋台が終わるまで、シロとしての時間を送り、そして家に帰ると”吹雪”としてのもう一つの時間を過ごす事になる。



    ※シモネタ短歌だけだとあまりにも『品性』がないので、それ以外にもぼちぼち書いていた、少しマトモな掌編くらいの短編小説?みたいなものも載せたいな・・・と思います。

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