マッコウクジラ

アート歌人

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高知県高知市

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  • 掌編(その48)

    漢字テスト

      梨香は洋祐がランドセルの中にくしゃくしゃにまるめて隠していた漢字テストを取り出して、洋祐に言った。
    「あんたまた漢字テストがダメじゃない!もっと勉強しなさい!」
    すると、洋祐は開き直ってこう言い返した。
    「けど、母さん今は漢字がまともに読めなくても、少し違った英語を話しても一国の総理にもなれるし、笑いとれりゃアイドルにだってなれるんだよ!じゃっ、こうじ君ちに遊びに行ってきまーす」
    ・・・と元気に出かけて行った・・・

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  • 掌編(その47)

    政府肉


    2×××年とある国のとある夕暮れ・・・

    『おかあさん、あの政府肉ってなあに』
    『あれはね・・・3年前に政府が打ち出した終末医療切り捨て制度で、医療費が支払えなくなって、処分された人のお肉を格安で売っているのよ』
    『じゃあこの間としこおばちゃんのお見舞いに行った時緑の特別ベッドで寝ていたおばあちゃんがそうなの?』
    『そうよ・・・政府の問題で国が借金だらけになって、国の自給率もないから、食料対策としてそうなってしまったのよ』
    『じゃあおかあさん、うちも政府肉を食べてるの』
    『うちはね・・・おとうさんが高級官僚でお給料たくさんもらってるからちゃんとした牛さんのお肉を食べてるのよ』
    『そうなの』
    『けど、ひなちゃんもいっぱい勉強して、もうけるか、お金持ちの人と結婚出来る様になりなさい。勉強のためにはお金もいっぱいかけてあげるから・・・ママはね緑のおばあちゃんになるのは嫌だから、ひなちゃんがんばってね・・・』

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  • 掌編(その46)

    さざんかの宿

      祐子は夫憲一の浮気の決定的な証拠を押さえて憲一に言い放った
    「これは何!もう言い訳は出来ないわよ!それにあの人は吉岡さんの奥さんじゃないの!いいかげんにしなさいよ!」
    さすがに憲一もこれ以上嘘はつけないと観念したが、祐子に言い負かされて終わるのプライドの高い憲一にとっては耐えられない屈辱なので、開き直ってこう言い返した。
    「某●HKの歌番組とかで演歌の心は日本の心って言ってるじゃないか!俺は実践さざんかの宿をしたまでだ!俺のやった事は日本の心だ!」

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  • 掌編(その45)

    ニッケル中毒

      無意識で百円玉を飲み込む癖があり、気がつくと喉に百円玉がつっかえて喉に激痛が走り全身ニッケル中毒に侵されている・・・という事でした。
      体内に脱力感が走りもう俺は駄目だ・・・何故俺は無意識で百円なんか飲み込む癖が出来てしまったんだ・・・そんな後悔のみが脳内を駆けめぐりました。


    ・・・といったとこで、背中丸出しにしたまま目覚めました。丸出しだったせいか、背中が冷えて少し風邪を引いたみたいで、喉が痛かったです・・・それが原因でニッケル中毒なんて夢みたんでしょうか?う〜ん・・・夢って不思議だ・・・
      ちなみに当然といえば当然なんですが、無意識で百円なんか飲みません。飲む位なら使います。

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  • 掌編(その44)

    弥太郎と偽孫

      昼下がり、弥太郎の部屋に一本の電話が鳴っていた・・・
    『はい、弥太郎じゃが・・・』
    『じいちゃん俺だよ!覚えてるだろう?』
    『良平かい?』
    『そうだよ、良平だよ、じいちゃん元気かよ』
    『元気じゃよ。お前はどうだい?』
    『俺は今大変なんだ!友人の保証人になって大変なんだ』
    『そうかい』
    『じいちゃん悪いけど、金貸してくれよ・・・2百万でいいから・・・とりあえず、携帯とか持ってるかい?』
    『悪いけど、わしゃー家には黒電話しか置いとらん。銀行もATMとか使わずに窓口でしか取引せん・・・』
    『ツーツーツー・・・』
    そのまま、電話が切れてそれっきりになった。

    ・・・・弥太郎はつまらなそうに、鼻くそをほじりながらこうつぶやいた。
    『今回の振り込み詐欺はせっかちでつまらんのう・・・』
    そうつぶやいて、先程電話のあった電話番号をメモに控えて警察に電話し、
    『もしもし、今ワシの家に振り込み詐欺らしい電話があったが、今から言う電話番号を調べてくれんかのう・・・』
      と、警察に通報した。ちなみに、弥太郎は独身で子供もいないし、ボケた対応をしたが、電話はナンバーディスプレイ付きの電話で、勿論携帯も持っている。
      警察に通報した後
    『最近の警察もトロいからどーせ今回の偽りの孫も捕まらんだろうけどのー』
      と、溜息をついてこぶ茶をすすった。

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  • 掌編(その43)

    アルプス一万尺

      踊るのは子ヤギの上ではありません。けど、結構なオトナになるまでそう思ってました。その話を他の人にすると、思った以上に子ヤギだと思っていた人がいました。

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  • 掌編(その42)

    人魚伝説?

      テレビ放送で鮭の人工授精の放映をしている時に聖人は父親に向かってこう言った。
    『パパーこの間保健体育の授業で、おしべとめしべの話があったんだけど、もし鮭の卵にパパとかボクの精子を振りかけたら人魚が出来るの?』

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  • 掌編(その41)

    三匹目のバク

    夜になるとまた暗闇がボクを食べようとします
    暗闇の中に何がひそんでいるのかボクには分からない
    けど暗闇の住人は数匹のバクを黄金の鎖につないだままやってきて
    ボクの頭の中で黄金の鎖を外して去ってゆきます
    するとボクの頭の中で増え続けていた
    羊の群れがだんだん溶けてゆきます
    そして逃げる羊をバクが口を開けて吸い込んでゆきます
    暗闇の住人は今晩三匹のバクをボクの頭の中に放ちました
    だからボクは今晩三つの夢を見る事でしょうか?

    ボクは羊が消えた後スーパーマンに変身しました
    そして怪獣ヒヒゴンを倒し空へと飛び立ちました
    すると一匹目のバクが立ち上がり
    その風景を食べ始めそしてその風景を全て食べ終えると
    一匹目のバクは眠り始めました

    次のボクは一頭のザトウクジラになり
    太平洋を泳いでいました
    そして泳ぎ疲れた頃二匹目のバクが立ち上がり
    太平洋を食べ始め
    そして全ての海の青を食べ尽くすと
    一匹目のバクのとなちに寄り添って眠り始めました

    三匹目のバクがボクを見つめています
    しかしゆうべは寝苦しい夜でなかなか眠れなかったせいか
    朝のタイムリミットが近付いているようです
    三匹目のバクがボクを見つけています
    ボクに三つ目の夢を見てくれと願うように見つめています
    暗闇の住人の黄金の鎖の音がだんだんと近付いています
    そしてボクが三つ目の夢を見る前に暗闇の住人がやってきて
    三匹のバクを黄金の鎖につないで去っていきました
    三匹目のバクは何度もボクを振り返り振り返り去ってゆきます

    そしてボクは目覚めました
    しかし何故かゆうべの出来事を覚えていました
    普通夢の出来事は記憶に残らないというのに
    覚えているという事はたぶん
    三匹目のバクの未練がそうさせたのかもしれません

    バクくんごめんね今日は早く眠るようにして
    君にも満足する夢を見るからね
    そうボクは心の中で小さく誓ってベッドから立ち上がった
    そして今日のボクはここから始める・・・

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  • 掌編(その40)

    危険?

      少し前に買った安売りの煎餅を食べました。ひょっとして今話題のメタミドホスとか毒物の入っている煎餅だったかも・・・・しれない・・・・?
      ちなみに米焼酎系も結構飲んでいたのですが・・・・

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  • 掌編(その39)

    選択肢

     「キサマ、このワシを愚弄しているのか!」
    「いえいえ、私は単なるアドバイザーであって、これはあなたが積み重ねた結果によるこれからの選択肢ですので、私にはあなたを愚弄するもしないも何もないのですよ。」
    「この私を誰だと分かって言っているのか?この私は民自党の崎山と知って言っているのだろうな!」
    「私を怒鳴るのも脅すのも結構ですが、私にはあなたの生前の経歴などはどうでも良い事です。私がするべき事は、あなたが崎山さんとして生きてきた魂のランクを判定して、それに従って次のDNAの乗り物の選択肢を案内するアドバイザーですので・・・私にとっての判定基準は、生命の発展の法則に従っているだけですので、生きている時に世間的に評価されているとかしてないとか、そんな事は関係ありません。かえってそんな人の方が権力を嵩に着て生命の尊厳を傷付ける事の方が多いですから、ランクが低くなる事が多い様に思いますね。」
    「だからと言ってこんなこんな・・・!!!!」
    「まあまあ怒らないで下さい。では、納得いく様にフリップを見て説明しましょう。」
    そう言って、そのアドバイザーを名乗る存在は一つの映像を示した。
    「まず、あなたの選択権の一つのクマネズミですが、この映像からも見ての通り、どんなに食べてもすぐにおなかが空く生物上の形態を持っていますので、いつでも何でもガツガツと口にしなければなりません。そして、命の危機感を持っているせいか、食事中だろうが何であろうがやたらめったら交尾して子孫への執着心を持たなくてはいけません。あなたも生きている間、必要な事を二の次にして女に執着して、政敵などを人から外れる行為で蹴落とし、理性というより本能に従って生きてきていたでしょう?これを見てもあなたの生き様を類似しているじゃないですか?次の選択肢のコモドドラゴンですが、これも生きる為には何でも時には同じ種族でさえ食べようとします。そして次のM56星雲のベムラーですが、これは知能的には高いのですが、アロス星人の奴隷です。アロス星人の為に労働を提供し、有り余るアロス星人の性欲のはけ口とならなければなりません。それは、あなたが生きてきた償いとして、次はあなたを提供するという事を経験する為です。地球では動物か爬虫類ですが、地球を離れれば、それなりの知的生命として生きる選択権もあります。ちなみに余談ですが、何故見せかけの平和が続くとクマネズミの様な存在が多くなるのかと言うと、あなたの様な生命の入れ物を用意しなくてはならなくなるので、都会で大発生するのですよ。」
    すると、崎山だった生命体は青い顔をして震えながら言った。
    「分かった。わしの財産の一部をおまえにやろう。だからわしだけは特別な運命を用意してくれ。なっなっ・・・」
    「生命体には特別もなにもありません。たしかに今までは崎山さんとして特別な存在だったかもしれませんが、この線を越えたらあなたは次の生命体となるそれだけの存在です。私はこの後もたくさんの魂のアドバイザーをしなくてはなりませんので、この線を越えて次の生き方を選択して下さい。」

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