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2008/05/13
訪問者
損得勘定で、いつでも天使の顔にも悪魔の顔にもなれる俺、いつから俺はそんな人間に変化してしまったのだろうか?信じていた友人に裏切られ、借金だけが俺も手元に残ったあの日からか?それとも・・・
ほら、今日もいつも立ち寄る酒場にカモになりそうなおやじがやってきた。とりあえず利用出来る奴がどうか友達になってみるか。
「一人で飲んでいるんですか?」
俺はそう初老の男に微笑みかけた。初老の男は孤独を埋め合わせる様な笑顔に反応して、一瞬子供の様な顔をした。俺にとっては、その後その男がどうなろうと関係ない。俺にとって必要なのは、その男の孤独の隙間に入り込んで男の金を引き出す・・・それだけだ。それ以外はどうでもいい事だ。だが男はそんな裏を知る由もなく、その男の人生の一端を話始めた。
俺は、同情するかの様な顔を浮かべながら内心舌を出して笑っていた。
「今回のゲームももらった・・・」
・・・と・・・・。
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2008/05/10
ぷち後悔
子供の頃ってよく意味の分からない横文字ってなんかかっこいいもの・・・なんて思った事がありませんか?それが後で意味が分かると恥ずかしい勘違いでも・・・
自分は子供の頃とある言葉をなんかかっこいいものと思っていました・・・その言葉は『マスターベーション』
ちなみに自分は今でこそ絵、短歌、短編とかいろいろやってますが、一番キャリアが長いのは音楽なんです。3才位からピアノとか習ってた事もあって(今はしてないので、曲は作れても・パソコンとかなんで手が動かない(^^;))創作では作曲・作詞が一番最初に始めた事なんです。そんな事もあって小学生の頃から曲を作り始めていた事もあり、詞なんて言っても、恋愛なんか経験ある筈もないのに、なんておませな詞なんでしょー・・・みたいな事は当然書いてあった・・・(汗)
だいぶ前にたまたま部屋を家捜ししてたら、そんな昔むかしのとっくに捨てたと思ってた作詞ネタが出てきた。ませたコドモネタって恐いですね・・・抱きしめてとかキスしてとか見てるだけで大赤面モノの稚拙な詞がいっぱい・・・その中になんと詞のタイトルに『マスターベーション』と書かれた曲があった。当然タイトルの意味はよく分かってなかったので、作詞の内容は子供なりに背伸びしたかっこいい文章?でした・・・
それを見た瞬間思いっきり恥ずかしくなってそっこーでゴミ箱に捨てちゃいました。今では灰になって天に召された事でしょう・・・
ただ、後になって思った事は、それからしばらくして恥もへったくれもないシモネタ短歌とか割合好き放題?に展開する樣になった事を思えば、これはお笑いネタでとっておくべきだった・・・なんて思ったのは、過ぎた後悔かもしれない。
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2008/05/09
契約を迫るモノ
『契約するかい?』
・・・またあの魔物が今晩もやってきた。深夜2時半位になると最近必ずあいつがやってくる。
洋次の体に重くのしかかる様な金縛りがかかると、必ずあいつの気配が壁にぽっかりと空いた暗黒の四次元空間からひたひたと近づいて来るのが分かる。
洋次も慣れているので、静かに金縛りの力に抗いながら両手を組み静かに経を唱えて魔物を追い払った上で壁に空いた四次元空間を閉ざしてゆく。
しかし、魔物は洋次と何の契約をしたがっているのだろうか?そして洋次から何を欲しがっているのだろうか?それだけが、洋次には理解が出来ない事であった。もし、契約を結んだ場合、どうなるのだろうか?今洋次にふりかかってくる災難とも言えるべき運勢を背負った人生が変わるというのだろうか?そう思うと魔物を追い払うと共に少し興味が沸いてくる部分も拭えないもう一人の洋次がいる事も確かだった。
だから魔物はしつこく洋次の元へやってくるのだろうか?洋次に何かをさせるために・・・そして、いつかその誘惑に負けるのだろうか?それとも追い払い続けたら、いつになったらこの魔物が洋次から離れてくれるのだろうか?
そして、明日もこうやって魔物はやってくるだろう。
『契約するかい?』
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2008/05/07
春子の疑問
「ねえママ、どうして私の名前は春子なの?」
春子は前々から疑問に思っていた自分の名前の由来を率直に母夏子に聞いてみた。何故なら春子はどちらかと言えば、春というよりも寒い時期に生まれたからだ。
すると、母夏子は少し悪いなーという樣な薄笑いをして春子にこう答えた
「あなたはね・・・パパと昔花見の後羽目を外した過ちで出来た子供なの。だからそのパパとの記念に春子にしたの。だってそれまでずっとパパって二枚目でみんなにもてて憧れの存在で私なんか遠くで見てるしかない存在だったけど、その日はどうしても外せない接待で冷静はパパが飲みつぶれてそのチャンスで私のモノになったんだもの。そんな記念の子よ。光栄に思いなさい。けど、私なんかもっとひどいのよ。私なんか7人兄弟でしょ。だから、親が名前を付けるのが面倒臭かったから夏子よ。まだ、夏に生まれたから夏子ならいいけど、夏にヤったから夏子なんて言われたのよ!」
その答えを聞いた時、春子は体の中に少し脱力感に似たものを覚えた。もしかしたら、○年後春子に娘が生まれた時、クリスマス記念の子だから・・・なんて冬子と名付けられるかもしれない。
※おまけ
ちなみに秋子だったらどうなるのか?
長年つきあっていた彼との突然の別離・・・そしてもうどうなってもいい!酔い潰れたい・・・そんな感じで飲んでたカクテルバーでたまたま隣に座って優しくされた男に身をまかせて・・・なんて展開になったりして。
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2008/05/04
かぐや族の憂鬱
地球の生命の営みが月の引力とかの影響を受けているのと同じ様に、月の民族も地球に依存している民族が存在した。その民族は”かぐや族”という。かぐや族は、地球に存在する竹に卵を産み落とし、竹を割って育ててくれる中間里親にその子供を育ててもらわなければならないという宿命を持つ。そして、かぐや族は女しか出来ない生命のため、新たな生命を生み出す為に地球を男性を誘拐しなければならない。しかも、中間里親を必要とする為、美貌を持つ子孫にしなければならない為、それなりに美形の男性を誘拐しなければならなかった。
・・・と、今まではそれで上手くやってこれたのだが、最近かぐや族にとって種族繁栄の危機を迎える出来事が起こった。それは、人間の里山の放棄と、グルメの横行によるまだ地上に芽も出ていない竹の収穫。それによって、行き届いた竹林に産卵しても、新たな生命が生まれる前に人間に食べられてしまい、かと言って行き届いていない竹林に産卵しても、誰も里親に見つけてもらえる事もなく、竹の中で新たなかぐや族の生命が腐ってしまう・・・そんなジレンマに陥っているのだった。
そこでかぐや族は新たな里親に視線を向ける為にいろいろな計画を練った。その一つは、竹薮のお金計画。その内容は、竹薮に金をばらまき、人間の視線を竹藪に向ける・・・という計画だった。しかし、それは人間の欲のみを増殖させるだけで、新たな姫を見つけてくれる手立てにはならなかった。その次に考えたのが”きぬがさたけ”計画。幻のきのこを姫が生まれる前後にセッティングして生やし、グルメブームに便乗して姫を見つけてもらうという計画だ。しかし、この計画が発動してからバブルがはじけてしまい、今に至ってもその計画はあまり効果を表していない。
・・・そうなると、生まれ出なかった新たな姫の怨念のみが竹薮に残る結果となってしまった。そして、姫の怨念は人間の足元に取り付く結果になってしまう・・・。
最近あなたは、竹薮に行った時、竹の中程から少し割れて黒い液体が流れ出ているという現象を見た事がありませんか?それは、竹の中で腐乱した姫の残骸が竹を割って流れ出た現象なのです。そして、それを見た者は足をくじいたり捻挫したり、骨折したりするという・・・そんな経験が竹林に関連してありませんか?だとすると、あなたはかぐや族を怨念を足に背負っているのかもしれない・・・
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2008/04/30
鏡の中の自分
視線を感じる・・・けど、周りには鏡しか存在しない。真夜中になると必ず気配を感じる・・・これは、鏡の中のもう一人の自分がこの俺と入れ替わろうと叫んでいるのかもしれない。
そう言えば、友人の鉄平がこの間から性格が変わった様におとなしくなった。それはあいつが午前2時に合わせ鏡をした時に、パラレルワールドのもう一人の自分がオリジナルの鉄平と入れ替わったのかも知れない・・・もっともその方が俺としては都合がいいんだが。
けど、何故か俺の右脳に合わせ鏡をしろと司令が起きているかの様だ。合わせ鏡をしてはいけない、合わせ鏡をしてはいけない。過去の記憶の貯蔵庫である左脳の一部からその記憶を取り出し、俺は右脳の司令と対決する。けど、鏡の中の自分は幸せもんなのだろうか?今の俺よりも悲惨な生活をしているのだろうか?それだけはちょっとだけ興味がある。もし、今の俺よりも有意義な生活をしているのなら、いつでも入れ替わってやるのだが・・・
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2008/04/27
封印
AM2:00、信二はとある安アパートの2F右から3番目の部屋の窓に銃弾を打ち込んだ。1990〜1992年の夜の経歴を消す為に・・・あの頃の夜の顔は名前も雰囲気も変えて行動していたが、念には念を入れる必要がある。
信二は間もなく時代の表舞台に立つかもしれない。そうなると、それ2年間の夜以外の平凡な経歴しか知らない人以外は存在してもらっては困るのだ。別に殺す必要はない、見えない脅威にさらされるだけでいいのだ。心理分析では、そうすれば、あいつはミスをした組織の人間の仕業と思い込み、北陸の方へ逃げ、もう一度同じ様に脅せば多分自殺するだろう。
ちなみに、今晩使ったトカレフは、本当は近所の内村宅に届く予定だったものを一日だけ無断で拝借したものだ。弾は、昔そういう生活をしていた時に持っていたモノを使用したので、包装も元通りにしておけば、まず気付く事はない。それに、もし包装のセロハンテープの位置は多少ずれていたとしても、そういうものを欲しがる人間は大概中身にしか興味がないし、それ以外の銃の痕跡は捨てたがるので、無造作に破り捨てて信二が使った微妙な証拠などたちどころに消えさってしまうだろう。
他の邪魔者二名は、一人は麻薬ジャンキー影で陥れ自殺に追い込み、一人は”偶然の”交通事故でなくなってもらった。あと残るは一人だけ・・・信二は銃弾を打ち込んだ後、表情を変える事もなく自宅へ戻り、拝借したトカレフを元通りの状態に戻し、内村のポストの中に入れておいた。
土曜日信二はこの場所から引っ越す予定にしている。これで文字通り信二の過去は封印される事となる。あいつも第二の仕掛けた罠の幻影に苦しみ、1週間以内に東尋坊から飛び降りるだろう・・・後は、信二の過去を知るモノは、信二の左脳の記憶装置だけとなる・・・
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2008/04/22
静かなる復讐
ねえあなた、あなたは確かに周りからは“いい夫”と思われてるわ。だって世間体だけは人一倍気を付けて地域活動とかボランティアとかもするものね。
けど、あたしはあなたの自己顕示欲のアクセサリーではないのよ。いつも私の話を全否定したり、
『キミは間違ってる』
しか言わないあなたの人間性うんざりしてるのよ。あたしだって人間だから聞いて欲しい事だってうなずいて欲しい事だってあるのよ。
あたしの誕生日にイベントの様にフランス料理に連れて行ったり、薔薇の花束をくれたりするだけであたしが満足するなんて思ってるのかしら?それはあなたの自己満足よ。あたしは薔薇より、今日のささいな話を聞いてくれるだけでよかったの。
それにあなたの健康に気遣った食事だって文句ばっかり言ってこの間も医者に注意されたのに聞かないじゃない!それでも我が道を通すあなたにはもううんざりしてるのよ。だから言う事を聞かないあなたにもういろいろ言う事はよしたの。どうせ嫌な思いを続ける位なら言わない方がましだからよ。
これからは、あなたにはおいしい食事をだすわ。あなた好みの味付けの濃い食事をね。塩分も当分もコレステロールもたっぷり入ってるからおいしいはずよ。そしてだんだん体の中を蝕んでいったらいいの。けど自業自得よ。あなたはあたしの意見など聞かないから、望む事をしてあげてそうなるんだから、それはそれで幸せなはずよね。
あたしもあなたが死んでくれるなら、保険金の下りる金額が下がる前までにいってほしいの。それはあたしにとって最後で最高のプレゼントよ。当然そんな事あなたがいなくなるまでは表情に出さないし、お葬式の時も最高につましい妻を演じてあなたを送るわ。そして本当の幸せな妻として第2の人生を送るわ。
けど、あなた中途半端で寝たきりになったりなんかしないでね。あたしは我が儘なあなたの面倒なんか見るのは嫌よ。今まで踏みつけにされた人生の上に介護までするのなんて絶対に嫌。
ただ、もしもそうなればあたしはあなたに静かな復讐をするわ。あなたが絶対に嫌がるおむつをはかせたり、呼び鈴を押したりしても3回までは相手にしないわ。そして、水もあなたがぎりぎりで手に届かない場所に置いてあげるわ。
そうやってあなたは思い知るのよ。今まであたしがどれだけ大切だったかって事のありがたさを。
ところであなたはどっちを選ぶかしら。あっさりあたしに幸せをくれるかしら。それともあたしからあなたに仕返しする喜びを与えてから死ぬかしら。そう思えばあたしも楽しい未来がありそうよ。
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2008/04/22
1/8の陽子
昼間の君はとってもタカビーだけど、ボクの前で見せる夜の陽子はとっても純情なんだよ。もっとも夜の陽子はボクが密かにデジカメで撮りためたデータを元に業者に発注させて作り上げた1/8サイズの陽子だけどね。
昼間の陽子はよせて集めてDカップてトコだけど、夜の陽子は2つおまけしてFカップにしてあげたよ。けど、巨乳の2/3位の確立でありがちな乳輪の大きいのは小さくしてあげたからね。ボクは乳輪がデカイとせっかく高まりかけた情熱がドライアイスをかけられて急激に冷めた様になってしまうからね。それとボクはホクロがあまり好きじゃないら、首筋のホクロも除けてあげたよ。あとオプションで、強く押すと声を出す様にしたんだ。今晩もたっぷりと悶え声を上げさせてあげるからね。ほらほらもっと叫ぶんだ。きゅうりが欲しいか、なすびがほしいかほらほら、おらおら・・・
そうだ、今日は陽子に似合うドレスを買って帰るよ。この間トイザラスで見つけたバービー人形が着ていたやつを買って帰るよ。それと、昼間の陽子が今付き合っている嶋岡とも間もなく分かれるはずさ。あいつこの間同僚にメールでエロ画像を送っていたので、誤配という事で、陽子の方にも届く様に細工してあるんだ。もちろん陽子のやつのメールはボクがアイコラで作った特性も含まれているから、陽子が普通の神経を持った女性ならきっと嶋岡の事を嫌いになるはずさ。そして、嶋岡もエロ画像を送ったという記憶があるから完全否定は出来ないはずさ。もちろん、ボクが裏で糸を引いているなんて誰も気付かないはずさ。だって昼のボクはPCに詳しいなんて思われてないし、そんな奴が夜になると、ハッカー並の行動するなんて誰も思わないだろうしね。
これからも昼の陽子は隠れたボクの監視が付いているから、ボク以外の男とは付き合えないはずだよ。もちろんボクと付き合う権利は持っているから、ボクだけとは付き合えるけどね。それと昼間の陽子がいつでもその気になれる様に冷えた野菜だけは冷蔵庫に入れておくからね・・・ふふふ楽しみだよ。それまではコレクションルームでボクを待っている夜の陽子にあんな事やそんな事してもらうつもりだよ。陽子・・・陽子・・・ハァーハァーハァーハァー・・・
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2008/04/20
各駅列車
僕は時間が許す限り、各駅の鈍行列車によって気ままな旅に出かける事がある。何故、鈍行かと言うと、急ぎ足で進む急行列車と違い、異質な時間軸がそこに存在している様な気がするからだ。そして、そこにはいつもの慌しい時間とは違い、贅沢な時間のみが存在する様な気がするからだ。
特に春の各駅列車が僕は好きだ。十分、二十分の急行列車の待ち合わせは、田舎の単線の路線の鈍行列車では日常に起こる現象だが、待っている間ずっとホームに咲く桜を眺めたり、誰もいない無人駅で待っている満開のつつじの花に出会ったり、とにかく春はドラマが多いので、意外な展開を楽しみにしていたりする。
そして、時間の流れが大らかになっているせいか、いろんな人とも友達になれる。
「桜がきれいですね。」
そんな日常の会話から、旧知の友達の様な親近感がその空間に広がり始める。
今日も僕は急行列車に乗らず、各駅列車に飛び乗る。新たな小さなドラマの展開を求めて。
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