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Commentボールペン
182×257
2013年
髪が伸びたので行きつけの床屋に行った。
床屋といっても理容師はいない。道具だけがあるだけだ。
いわゆるセルフサービスの床屋なのだ。一律300円と格安だ。
乱雑に置かれたハサミとくしを手に取り髪を切る事にした。
今日はやけにお客が多い。
隣の貴婦人はずっとモデル風の男が写る鏡をずっと見つめている。
後ろのタクシーの運転手は床屋なのにハンチングをかぶったまま
睨むように新聞を読んでいる。
卵型のオジさんはアロマのようなものを焚き甘い香りをふりまいている。
今日は変な客ばかりだなと思いながら髪を切っていると急に隣の貴婦人が震えだし、恥ずかしそうにこぼれ出る声を押し殺しながら卵を生んだ。
ゴロン、、ゴロン、、といくつもいくつも。
ボクは見てはいけないものを見てしまった気がして、いたたまれない気持ちになり店を飛び出した。
中途半端な髪型のまましょうがなく家路についた。
貴婦人と卵のおじさんとセルフの床屋
by うのき
ボールペン
182×257
2013年
髪が伸びたので行きつけの床屋に行った。
床屋といっても理容師はいない。道具だけがあるだけだ。
いわゆるセルフサービスの床屋なのだ。一律300円と格安だ。
乱雑に置かれたハサミとくしを手に取り髪を切る事にした。
今日はやけにお客が多い。
隣の貴婦人はずっとモデル風の男が写る鏡をずっと見つめている。
後ろのタクシーの運転手は床屋なのにハンチングをかぶったまま
睨むように新聞を読んでいる。
卵型のオジさんはアロマのようなものを焚き甘い香りをふりまいている。
今日は変な客ばかりだなと思いながら髪を切っていると急に隣の貴婦人が震えだし、恥ずかしそうにこぼれ出る声を押し殺しながら卵を生んだ。
ゴロン、、ゴロン、、といくつもいくつも。
ボクは見てはいけないものを見てしまった気がして、いたたまれない気持ちになり店を飛び出した。
中途半端な髪型のまましょうがなく家路についた。
published : 2013/10/17